能勢の水と空気が生み出す~繊細で雄大な盆栽~
三浦培樹園能勢の美しい田園風景を通り抜けると、三草山の麓に佇む盆栽の老舗「三浦培樹園」があります。
今回は2代目の三浦裕貴さんにお話しを伺ってきました。
盆栽の楽しみ方は自由 ペットのように可愛がって
そもそも盆栽ってどうやって楽しむのでしょう......?
そんな初歩的な質問にも「何でも聞いてくださいよ」と気さくに答えてくださる裕貴さん。
「まず育てる楽しみ。ゆっくりだけど成長していくので、かっこいい形に剪定し、仕立てていく。そして鑑賞する楽しみ。桜の盆栽だと、花見に行けなくても家で楽しむことができます。なによりも生きているので鑑賞物としてだけでなく植物の変化を楽しめます」と教えてくださいました。
また、三浦培樹園では、盆栽の購入後に手入れや相談のサポートも行っているので、盆栽の育て方に自信のない方でも安心して始められます。持ち込んでメンテナンスしてもらうこともできるので、鑑賞メインで楽しむこともできます。
盆栽はなによりも水が大事
小さな鉢の中で育てる盆栽にとって、きれいな水で育て、水はけの良い状態を保つことが非常に重要。能勢のきれいな水で生命力あふれる盆栽を作ることができているのが「三浦培樹園」の大きな特徴の一つ。やはり能勢の気候に合ったケヤキやアカマツなどが強く育つそうです。
時代の流れに逆らうような古く新しい世界 2025年の万博にも繋いでいく
海外での人気も広げる盆栽ブームの火付け役となった1970年の大阪万博。日本ではニッチな趣味の印象がある盆栽ですが、海外からの評価を得て、日本国内での人気も高まっていきました。2025年の大阪万博に出展を予定されているので、新たな盆栽ブームが巻き起こりそうです。
能勢の景色を思い浮かべながら、家で自分の手で育てた盆栽を眺めることは、まさに一期一会の贅沢な体験です。ぜひ一度、能勢の自然とともに繊細で雄大な盆栽の世界を体験してみてください。
取材日:2024/07/31 文・写真:喜村 愛